心理的リアクタンス(Psychological Reactance)ってのがあります。勉強しなさいって言われると今やろうと思ったのにとやる気がなくなるアレです、皆さん心当たりがあるかと思います。もう少し一般的に言うと、自分の行動の自由が外部から脅かされたときに自由を回復しようと反発する作用のことだそうで。人は自分で自分の行動を決めたいと思ってるんですね。
ということで、人を説得したりするときには、この心理的リアクタンスがあることを考慮しないといけません。ああしなさい、こうしなさいは逆効果です。
身近にある心理的リアクタンスの回避例はトイレの注意書きです。「きれいに使いなさい」ではなく「いつも綺麗に使っていただいてありがとうございます」と書いてあるやつ。利用者の行動を制限するのではなく、相手が自律的に行動するように表現が工夫されています。心理的リアクタンスが低く抑えられている良い例です。
冒頭の勉強の例で言うと、「勉強しなさい」よりは「勉強の調子はどう?」と聞いたほうが心理的リアクタンスは小さくなるでしょう。
あるいは確かな根拠を示すことも有効です。心理的リアクタンス自体が下がるというよりは、正当性やメリットとの間でバランスが取れるような状態になります。
もうひとつ、心理的リアクタンスを下げるには信頼関係です。知らない人に注意されるよりは、親しい友達に言われるほうが反発する気持ちは小さいのではないでしょうか。