アサーティブという単語を辞書で引くと “having or showing a confident and forceful personality” とあります。自信があって力強い人間性のことです。このアサーティブな態度を身につけるには率直、誠実、対等、自己責任の4つがキーワードになります。
アサーティブの基礎
率直であること
率直であるためには自分も相手も大切にする必要がある。自分の感情よりも相手の感情を大切にして、そのために自分がどう行動すれば良いかを考えること。
自分が嫌な気持ちになったときの伝え方
それやめてくれませんか?→言われた側は反抗したくなる
助けてもらえませんか?→反抗的になる理由はない
率直に言うというのは言いたいことを言うことではない。言いたいことを言うだけでは対立になる。
依頼するとき
これやっておいて→期限が不明確で人によって考えが違うかもしれない。この依頼の仕方でやってくれなかったら怒りを覚えたりすることがある
これxx日の○○時までにやっておいて→率直。「言って嫌がられたら嫌だ」という自分の感情よりも相手を尊重した例
誠実であること
自分にも相手にも嘘をつかないこと
自分に嘘をつかない=自分の心の声を傾聴すること。他人の評価ではなく自分がどう感じているか、自分がどうしたいのか
自分の気持ちがわからないと感情の表現ができなくなって感情的な行動に出ることになる。
自分の気持ちを把握するために正しい自己認識が重要
対等であること
人によって、場合によって態度を変えないこと。横柄にならないこともそうだし、諂ったり批判的な態度になることも含まれる。
楽観主義と悲観主義
楽観的な態度とはノーテンキという意味ではありません。
困難があってもそれを上方修正できるだけの態度を持ち合わせている人のことです。
楽観主義
目の前で起きていること、未来に向かって行動することの二つ。
自分が望む未来の状態を想定して、いま現在の自分の行動を規定したり、制限することで、未来に対して自信を持っている。準備があって、困難に遭遇しても乗り越えることができるという自信があるということ。
自信というのは、自分を信頼すること。
十分な準備をして、自分自信を一番信頼できる人にしている。
備えがあるので、目の前の今のことに不安になる必要がなく、精神状態も安定している。
安定によって対応力もあがり、ますます自分を信頼できるという好循環。
楽観主義者には未来があり、いまがある。
今行っている行動について、どうしてそうするのかをはっきりと説明することができる。
対等感
楽観主義は、勇気があり、自分を信頼している。
そして他者への信頼もある。他者との関係に対等感もある。
この対等感は「やれば誰でもできる」という考えに基づいているようだ。
才能によって成し遂げたわけではなく、準備をしたおかげだと知っている。
準備して行動すれば目標を達成できる、これが他の人にも言えることを分かっているからですね。
また、他者と協力して物事を達成していくことが苦になりません。
みんなやればできるからです。
時間がかかることも自分の体験にあるので、辛抱強く取り組むことができます。
また集中が必要なことも分かっています。
この経験から協力し合うことで、自分と他者との間に生じる共同体としての感覚が身についています。
悲観主義
未来と過去があって、今がない。「今」は「気を揉んでいる時間」になっている人。
自分で必要なことをを拒絶しているため、何をしたいのか、どうするのかを具体的に言うことができない。
楽観主義は、できるできない、好き嫌いの感情に支配されずに、目的を達成するために必要な準備をすることができるのです。
対等感
ない。
人より上位か下位か。相手が誰かということではなく、無意識のうちに差を考えて比較し、競争的。
勝つための努力をするわけではなく、何かで優位に立ちたい。
共同性
何かにつけ比較してしまうので、自分に才能がないと考えます。
最初に自分にはできないという考えが出てきます。
できるかできないかには、何の根拠もありません。
ただ最初から考えるのをやめています。
競争的で他人より優位に立とうとするのに、正面きって競争をしたりはしません。
そして、根拠はなかったはずなのにできないままで終わります。
また、その悔しさや屈辱を認めることも苦痛なので、何かにつけて他者に厳しくなり、文句をいいます。
相手の価値を下げることに神経が集中してしまうのです。
本来は他者ではなく自分の行動を気にするべきです。
他者の価値が下がったとして、自分の目標ややりたいことが達成できるわけはありません。
まったく無駄な作業です。
協力して目標を達成することが苦手で、共同体の感覚が乏しくなっていきます。
悲観的な人は、恐怖心が強い、劣等感、不信と疑惑、敵意が特徴。
違いが生まれる原因
あるがままの現実を受け入れているかどうかです。
ありのままの現実を受け入れていれば、自分も他人もOKと思える。
何かが起きても、起こったことに対応するという姿勢は、なんでもやっていける(解決できる)ということです。
どうにでもできると思っているほど、いざと言うときの準備を怠りません。
これは自分が解決するつもりだからです。
責任を引き受ける人にとって、準備したり、計画したりすることは、何かを成し遂げる上で有利で、後々楽になるからです。これが自立心であり、自尊心なのです。
悲観的な人は、最初から対応する気がないか、あるいは気を揉んでいるばかりなので責任を引き受けることなど考えていません、だからすぐには行動しないし、いざというときのための行動もしません。
行動する必要性を感じていません。
気を揉んでいる状態を行動していると捉えている可能性はあります。
行動しないので、先が見えません。
不安は大きく、依存心は強くなり、反比例して自尊心は低くなっていきます。
ますます自信を失いますが、自尊心を守るための競争心だけは強いので助けを求めることもできません。
そしてより悲観的になり、依存心を強め、秘密主義になります。
競争心が強くなるほど対等感は失われ、協働意識は崩れていき、チームワーク・自分の役割は果たせなくなっていきます。
これは自分が作り上げたシステムです。手放したほうがいいです。
悲観的な人は感情で判断し、楽観主義者は合理的に判断します。
悲観的な人も合理的な判断はできますが、最終的に感情の波に流されます。
やりとげる気構えを持ちましょう。
そうでなければ何をするにしても本気になれません。