煙草を辞めるために勉強したこと

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以前、禁煙するために吸いたい気持ちのときに体の中で何が起こっているかを勉強して、それを元に禁煙したことを書きました。

10年以上吸っていたタバコをやめた方法:禁煙のやり方
10年以上吸っていたタバコをやめた。禁煙に成功したので、自分が煙草を辞めるまでにやったことやってないことを紹介します。タバコは誰でも無料で辞めることができます。

この記事ではあまり詳しく書けていなかったので、改めて記事にまとめます。

煙草の成分

主にニコチンについて勉強しました。

ニコチンが依存を形成する

まずはニコチンです。

ニコチンは、骨格筋や脳に存在するニコチン性アセチルコリン受容体のアゴニストとして振る舞う物質です。アゴニストとは受容体に結合して神経伝達物質やホルモンと同様の機能を示す物質です。つまり、本来アセチルコリンが結合すべきところに、代わりに入り込んでアセチルコリン受容体を活性化させるということですね。これによって、後述の多幸感が生じて依存症を形成、もっとたくさん欲しいと感じるようになります。

ニコチンは副腎髄質にも作用します。副腎髄質に作用するとアドレナリンが分泌されます。結果として、血圧と血糖値が上昇し、発汗しやすくなります。

喫煙してから10秒程度で脳に到達して上記のような反応が起こります。煙草を吸ってスッキリしたような感じとか落ち着くような感覚までの体感時間ともおおよそ一致してそうですね。

摂取されたニコチンは約2時間で半分が代謝されてコチニン(cotinine)という物質に変化します。そして12時間後にはニコチンはすべて代謝されます。

また、喫煙すると大脳皮質にある受容体が3-4倍になります。これが依存している状態ですね。受容体が増えるので、もっと欲しいと感じるわけです。増えた受容体は6-12週間程度で非喫煙者と同じレベルに戻ると言われています。

タールは発癌性物質

ガンになると注意されることの多い煙草ですが、ニコチンには発癌性がありません。発癌性があるのはタールです。

体内の神経伝達物質たち

アセチルコリン

アセチルコリンは神経伝達物質のひとつです。脳内の受容体にアセチルコリンが結合すると、ドーパミン、アドレナリン、β-エンドルフィンが放出されます。このとき多幸感が生じます。人間が活動するためにはこうした物質の放出が必要なので、幸せだと感じるようにできているのでしょう。

材料としてはコリン、レシチン、ブドウ糖などが挙げられます。コリンの含有量は鶏卵の卵黄がダントツのようです。その他の大豆製品にも多く含まれています。

ニコチンを摂取すると、十分に足りていると判断されてしまうのか、アセチルコリンの量は減少します。

セロトニン

セロトニンは神経伝達物質のひとつです。ドーパミンやノルアドレナリンを制御して精神を安定させる働きをするほか、生体リズム、神経内分泌、睡眠、体温調節などに関与しています。

消化官粘膜に90%、血小板に8%、脳内の中枢神経に2%存在しています。消化管粘膜といっているのは主に小腸のことを指しています。セロトニンは蠕動運動を亢進するため、消化管のセロトニンが増えすぎると下痢に、減りすぎると便秘になるようです。脳内には2%存在していますが、腸で生成されたセロトニンは血液脳関門を通らないため小腸のものとは別として考えられるようです。

セロトニンの生成は、トリプトファン(必須アミノ酸)→5-ヒドロキシトリプトファン→セロトニンという経路を辿ります。したがって、脳内セロトニンを増やすためには十分な量のトリプトファンを摂取する必要があります。

トリプトファンが血液脳関門を通る時、他のLNAAs(バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、メチオニン)と同じ輸送体を使うので、LNAAsが多い環境(高タンパク食とか)だとトリプトファンが脳へ取り込まれにくくなり、脳内セロトニン合成が遅くなるそうです。

また、セロトニンは精神の安定に関わることから、心身の鍛錬について次のように説明しているものもあります。

呼吸法で平常心を鍛錬する例として武道を挙げ、王貞治やイチロー、さらには釈迦まで、セロトニン神経の作用に関連づけて説明しています。つまり著者は昔からあった心身の鍛錬術を、生理学に基づき、具体的な方法に整理して示したと思われます – 『セロトニン欠乏脳 -キレる脳・鬱の脳をきたえ直す』より

セロトニン神経

物質ではありませんがセロトニン神経というものがあります。脳内のセロトニン神経は脳全体にケーブルを張り巡らせていて、心と体を覚醒させる役割を持っています。

脳内のパターン形成機構によるリズム性運動で神経が興奮し、覚醒状態(起きてるとき)の様々な活動に適度な緊張を与えます。ここでいう緊張とは、抗重力筋の緊張や交感神経の緊張などです。

セロトニン神経は寝ている間は活動しません。しかし、覚醒状態でセロトニン神経がうまく機能せず、神経活動が抑制されるとうつ病や慢性疲労症候群になってしまいます。

セロトニン神経の活性化にはリズム運動が重要です。リズム運動には深呼吸も含まれます。左脳(言語脳)が働くのはセロトニン活性にはあまりよくないという意見も見ました。歌を歌うのも効果的なようです。

網膜に日光が当たることでもセロトニン神経は活性化します。網膜経由で活性化させるためには2500-3000ルクス以上の明るさが必要です。日光であれば曇りや窓越しでも条件を満たすことができますが、電灯の明るさでは不十分です。活性化までには5分程度時間がかかるとされているので、十分長く日光を浴びる必要がありますが、疲れると逆効果になるので最大でも30分程度がいいでしょう。

他にもグルーミングはセロトニン神経を活性化します。グルーミングとは、人と人との触れ合い、マッサージ、おしゃべりなどです。電話でも効果があります。

反対にデジタル機器はブルーライトがメラトニンを破壊するため避けた方が良いです。セロトニンは睡眠ホルモン・メラトニンの原料でもあります。

アドレナリン

アドレナリンは副腎髄質で分泌されるホルモン、あるいは脳神経系における神経伝達物質です。別名をエピネフリンと言います。

ストレス反応の中心的役割を担います。アドレナリンが分泌されると、交感神経が興奮した状態になり、体の各器官で次のようなことが起こります。

  • 心筋収縮力の上昇: 心拍数増加
  • 心筋、肝筋、骨格筋の血管拡張
  • 皮膚、粘膜の血管収縮
  • 消化管運動低下
  • 気管支平滑筋弛緩 – 呼吸効率をあげる
  • 瞳孔散大 – 感度をあげる
  • 痛覚の麻痺
  • 勃起不全

ノルアドレナリン

ノルアドレナリンは神経伝達物質のひとつです。交感神経の情報伝達に関与しています。

メラトニン

メラトニンは睡眠に関与するホルモンです。セロトニンを原料として作られます。

脳内で分泌されると、脳の温度を下げて睡眠を動かします。また、免疫機能を高めて活性酸素を除去する働きもあります。

メラトニンが増えるとNK細胞も増えるとされています。NK細胞は悪影響のある細胞を倒してくれる細胞なので、十分なメラトニンが生成されるためにもセロトニンは重要な物質なのです。

付録:禁煙タイムライン

煙草をやめるとどんな変化が起きるのあかをタイムラインにしたものです

時間 起きること
1分 回復機能が働き始める
20分 血圧、脈拍が正常近くまで下降。手足の血行が改善し体温が正常に戻る
8時間 血中の一酸化炭素レベルが正常域に戻る。血中酸素分圧が戻るので運動機能が改善する
24時間 心臓発作のリスクが下がる
48時間 嗅覚と味覚が復活しはじめる
72時間 ニコチンが完全になくなる。気管支の収縮が戻り呼吸が楽になる。肺活量が戻りはじめる
1週間 睡眠のリズムが正常に戻りはじめる
2-3週間 体全体の血液循環が改善し、歩行が楽になる。肺活量が30%回復
4週間 離脱症状が軽くなる
3ヶ月 増進された食欲が元に戻りはじめる
1-9ヶ月 咳、静脈鬱血、全身倦怠、呼吸速拍が改善。色んな病気のリスクが下がっていく

参考

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