映画で学ぶ英語シリーズ。映画『アノン』のラストシーンの名台詞を日本語と英語の両方で紹介。
映画の紹介:アノン
まずは、映画のあらすじを紹介する。
地球上の全ての人間の記憶は記録・検閲され、個人のプライバシーも匿名性も失われた近未来。「秘密」はもはや過去の遺物となり、犯罪さえも消滅していた。しかし、起こるはずのない殺人事件が発生。捜査上で頼りになるのは、一切の「記録がない女」(ANON=匿名)だった。事件は何かの始まりを示唆するかのように、次々と発生し…。
記憶や視覚情報がデータとして扱われる世界で、殺人事件を調査する刑事ソル(SAL)と情報を操作するハッカー・アノン(ANON)を軸とした物語。アンドリュー・ニコル監督らしい洗練されたSF映画。
落ち着いたトーンの映像で、この映画の視覚的な魅力のひとつは近未来的なインターフェイス。作中では記憶などの情報を閲覧できるインターフェイスが登場する。細部まで拘ったインターフェイスは一見の価値がある。
私に秘密はない。見せたいものがないだけ
アノンがハッカーとして情報を操作する動機は、自分のプライバシーを守るためだった。一連の事件が解決し、主人公ソルがアノンに対してなぜ姿を消そうとするのかを問いかけるラストシーン。
(SAL)
The more you try to hide, the more attention you attract.
Why is it so important that nobody knows you?
隠れるから追われる。なぜ存在を消したい?You get rid of other people’s secrets. What’s yours?
君が隠したい秘密は?
(ANON)
Does there have to be one?
秘密が必要?(SAL)
Everyone has something to hide.
誰にでも秘密がはある(ANON)
That’s what you do.
What you look for everyday of your life.
Why you’ll never understand.
あなたには分からないでしょうね、永遠にIt’s not that I have something to hide.
I have nothing I want you to see.
私に秘密はない。見せたいものがないだけ
どんどん情報化していく社会の中で、これがこの映画が伝えたかったメッセージもしれない。自分もアノンの考えに共感する。確かに隠したいものがあるわけではないが、見せたいものがあるわけでもない、そんなことを思ったワンシーンだった。