ゆっくりはスムーズ、スムーズは速い
Slow is smooth, smooth is fast.
(ゆっくりはスムーズ、スムーズは速い)
── 映画『ザ・シューター』
大統領暗殺の疑いをかけられたスワガー(マーク・ウォールバーグ)が、FBIのメンフィス(マイケル・ペーニャ)を味方に付け、彼に狙撃の訓練をするシーンでのセリフ。この言い回しはしばしば軍事の世界で引用される。
何かをするときにはじっくりと時間をかけて取り組めということである。集中して正確に遂行することで、ミスや混乱をなくし手戻りを防げる。そして結果として速く、効率的で質の高い成果が得られる。
速さに執着しても早くならない
この台詞は、軍事の世界だけに通用する言葉ではない。日常の生活にも仕事にも言えることだ。仕事でも生産性向上を目標に取り上げることも多くなっているが、まさに直結する話だと言える。
はやく終わらせたいと思うと、手順を飛ばしたり、十分な準備なしに取り掛かったり、同時進行したりしてしまいがちだ。その結果、ミスが増えたり、作業が巻き戻ったり修正に時間を奪われたりする。速さに執着するとかえって遅さに繋がってしまう。
大切なのは smooth であること
「速さ」は才能でも根性でもない。この台詞の本質は、速さは動作の滑らかさの副産物であるということだ。
がむしゃらに頑張っていても摩擦の多いプロセスのままだと速くはならない。プロセスから摩擦を取り除いて丁寧に実行することではじめて速くなる。
行動に落とすには
ザ・シューターの名言を活かすには次のようにする。
- プロセスの中のどこで摩擦が発生するのかを言語化する
- 滑らかにする改善を加える
プロセスをテンプレ化してルーティンを固定してみる。そしてルーティンに従って実行する。もしその中でつまづいたり、詰まってしまう考えてしまうような部分があるならそこに手を打つ。スムーズにできるようにすることを指標にする。滞りなくできるようになったらプロセスにしたがって実行するだけでいい。丁寧に実行することで速さにつながる。
おわりに
「ゆっくりはスムーズ、スムーズは速い」。速さを追求したいなら努力の方向を間違えてはいけない。日本語でも「急がば回れ」というように、最終的に得たいゴールに対してどこを改善していくのか、問題を見極めることが大切だ。

