桃がおいしかったので桃について調べました。

桃が美味しかったです。桃が美味しかったので桃について調べました。気づいたらわりと情報が集まったので、桃について詳しくなりたい人に桃情報を提供します。

桃の名前と由来

。英語ではPeach, Peach blossomとも。

peachの語源はペルシア。ローマ時代には桃はラテン語で malum persicum(ペルシアのリンゴ)と呼ばれていたことに由来する。学名はAmygdalus persica。

桃の旬

桃は春の花で、最盛期は4月頃。果実の収穫は6-9月頃になる。

桃の花言葉

桃の花言葉には、「天下無敵」、「チャーミング」、「気立ての良さ」などがある。西洋では私はあなたの虜、比類なき素質など。桃の花は3月3日と4月12日の誕生花。

桃が広まった歴史

原産国は中国。特に西北部の黄河上流、高山地帯とされている。

欧州への伝来は、紀元前4世紀頃、シルクロード、ペルシア経由で伝わった。1世紀頃にギリシャやローマにまで広まり、17世紀になるとアメリカ大陸に伝わった。

日本では弥生時代には在来種が存在していたらしい。古事記、日本書紀などにも桃に関する記述がある。

国内生産量と世界生産量

生産地としては、降水量の少ない盆地が適している。日本では、福島、山梨、長野。外国では中国、アメリカ、イタリアが主な生産国。

国内生産は2019年時点で山梨・福島・長野が全国の約70%を占めていて、特に山梨県産は35%にものぼる。山梨県は、甲府盆地を中心として水捌けの良い平坦地が桃をはじめとした果物の栽培に適している。

世界でみると中国が57%、イタリアが6%、アメリカが5%のシェアとなっている。日本は0.6%ほどの生産。中国の生産量がおよそ1,200万tくらいである。

イタリアの桃

イタリアの桃にPesca tabacchiera(ペスカ タバッキエーラ)という品種がある。イタリア語で嗅ぎタバコケースの桃という意。シチリア島のエトナ山で育つ桃で、中国の蟠桃のような平べったい形が特徴。サターン・ピーチ(Saturn peach)、ドーナッツ・ピーチ(Donut peach)等とも呼ばれている。

イタリア語では、ペスカが桃の意味。魚釣りという意味もあるらしい。

逸話

仙果(せんか)

中国では桃は仙果と呼ばれている。仙果とは神仙(神とか修行の末に神に近くなった人)に力を与える樹木・果実のこと。邪気を祓ったり不老長寿になるとされる。

西王母(せいおうぼ)

桃は西王母(せいおうぼ)とも関連がある。西王母は中国神話に登場する女神の一人で、寿命や長寿を司るとされている。この西王母は、天界にある蟠桃園(ばんとうえん)という桃園の女主人でもある。

蟠桃園には、3,600本の桃の木がある。そのうち1,200本は3,000年に一度熟し、これを食べた者は仙人になれる。別の1,200本は6,000年に一度熟し、これを食べると長生不老が得られる。残りの1,200本は9,000年に一度熟し、これを食べた者は天地のあらん限り生き永らえるとされている。

西王母の誕生日(3月3日)には、蟠桃会(ばんとうえ)という聖誕祭が開催される。この宴では神仙が蟠桃園の蟠桃を食べるとされている。

孫悟空

西遊記』の孫悟空は元々蟠桃園の管理人・番人を任されていた。しかし、蟠桃会に呼ばれなかったことに怒って蟠桃園の桃を盗み食いする。

その後天界から逃げ出し、追われる身となった孫悟空は、やがて釈迦如来によって500年間封印されることになる。500年後に観音菩薩の救済によって三蔵法師の弟子として功徳を積むことを許さる。そして天竺を目指すことになるというのがよく知られている西遊記のストーリー。

桃源郷

理想郷を指す桃源郷にも桃が使われている。

桃源郷という言葉は、陶淵明(とうえんめい)が書いた『桃花源記(とうかげんき)』が由来とされている。陶淵明は東晋時代(317-420年)の文学者。

『桃花源記』は全文でも数百字しかない。ある漁師が偶然、渓流の源に桃林を見つける。その桃林を抜けると畑を耕し豊かな暮らしを送る戦乱とは無縁の浄土のような村があった。漁師は親切にもてなされ、後日人々に村の話をする。これを聞いた人が村を探すもそのような村が見つかることはなかった。これが『桃花源記』の大まかな流れで、これに登場する村、あるいはそのような存在が桃源郷と言われる。

イザナギ

日本では『古事記』に桃が出てくる。

イザナギが死者の世界である黄泉の国から脱出するときに魔物に追われる。イザナギはこの魔物に3つの桃を投げた。すると魔物はイザナギを追うことを止めたというもの。

このことから桃の実はオオカムヅミ、意富加牟豆美命(おおかむづみのみこと)という神様として祀られるようになった。この邪鬼を払うというイメージが桃太郎伝説にも繋がっている。

さいごに

桃について調べてみると幅広いエピソードがあって面白かったです。何千年も前に桃の良さに気づいて邪気祓いや不老長寿のイメージを持った中国人にやっと追いつけたような気がします。中国が生産量トップであることは知っていたけど、二番目に生産量が多いのがイタリアなのは意外でした。桃の種類についても深掘りしてみたいです。

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