リリースノートの魅力
ソフトウェアやサービスの進化を追いかけるうえで欠かせないのがリリースノート。バグ修正や機能追加の報告だけにとどまらず、そのサービスがどの方向に進もうとしているのか、開発チームが何を重視しているのかを知る手がかりになる文書でもある。
普段は「更新されたんだな」とだけ思って読み飛ばしてしまいがちなリリースノートだが、視点を変えると興味深い情報の宝庫になる。どの機能に時間をかけているのか、どんなユーザー体験を目指しているのか、開発チームの価値観まで垣間見ることができる。
この連載では、さまざまなサービスのリリースノートを読み解き、特徴や傾向を整理して紹介する。
- バグ修正の扱い方
- 新機能の説明スタイル
- ユーザーへの伝え方やトーンの差
これらの観点から、リリースノートの面白さや活用の仕方を深掘りしていく。単なる更新情報として消費するのではなく、サービスの進化や開発者の意図を読み取る楽しみ方を共有する。
リリースノートの例
VS Codeのリリースノート
こちらは Visual Studio Code のリリースノート。特筆すべき改善が一言でリストアップされていて、それぞれに短い説明がついている。それ以降は、全ての改善内容についてスクショ付きで詳しく説明されている。リリースノートの最後には関連するプルリクのリストが並ぶ。
ブラウザ版だとまた少し見た目が変わってくるが、アプリ上で見ることができる画像ののやつはデザインかっこよくて気に入っている。青系で暗い色をベースにしている(これはエディタで採用しているテーマに準拠しているだろうが。)
Firefoxのリリースノート
こちらは Firefox 105.0 のリリースノート。比較的シンプルな内容で、新機能と修正のそれぞれのサマリーが書かれている。白を基調にしていて、余白を大きく取ったデザインになっている。
Zoomのリリースノート
こちらは Zoom のリリースノート。クライアント版、intune版、outlook plugin版で大きく分けられていて、それぞれに New and enhanced features と Resolved Issues がある。新機能のほうは機能別にみじかい説明と一緒に箇条書きでリストされていて、使い方へのリンクがあるものもある。修正については簡単な一文のみで箇条書きされている。デザイン的には比較的シンプルで、装飾は最小限に抑えられている。
じぶんリリースノート
ここまでサービスのリリースノートを見てきたが、自分自身をひとつとしてリリースノートを書く「じぶんリリースノート」という文化があるので紹介しておく。自分の年齢をメジャーバージョンとして捉える考え方が面白い。
