映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の原作は、アンディ・ウィアーによる同名のSF小説。
『火星の人』を原作とした映画『オデッセイ』で知られるアンディ・ウィアーが、人類滅亡の危機と宇宙での未知との遭遇を描いた長編SF作品で、2026年にはライアン・ゴズリング主演で映画化された。映画は2026年3月20日に日本公開され、7月3日からPrime Videoでも見放題配信されている。
この記事では、『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の原作小説について、
- 原作はどんな小説なのか
- 映画と原作は何が違うのか
- 映画を見た後でも原作を読む価値はあるのか
- 原作小説はどこで読めるのか
- どんな人におすすめなのか
をまとめる。
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の原作はアンディ・ウィアーのSF小説
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の原作は、アメリカの作家アンディ・ウィアーによる同名小説。
日本語版は早川書房から刊行されいて、翻訳は小野田和子。2021年12月に単行本が刊行され、2026年1月にはハヤカワ文庫SF版の上下巻も発売されている。
原作者のアンディ・ウィアーは、映画『オデッセイ』の原作となった『火星の人』でも知られる作家だ。
アンディ・ウィアーの両作品に共通しているのが、「主人公が科学と工学の知識を使って、絶望的な状況を一つずつ解決していく」というスタイル。ただし、『プロジェクト・ヘイル・メアリー』では舞台が火星からさらに広大な宇宙へと広がる。
原作小説の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | プロジェクト・ヘイル・メアリー |
| 原題 | Project Hail Mary |
| 著者 | アンディ・ウィアー |
| 日本語訳 | 小野田和子 |
| ジャンル | SF |
| 日本版出版社 | 早川書房 |
| 文庫版 | 上・下巻 |
| 映画主演 | ライアン・ゴズリング |
| 映画公開 | 2026年3月20日 |
早川書房によれば、文庫版は上下巻それぞれ1,650円、電子書籍版も用意されている。
原作『プロジェクト・ヘイル・メアリー』はどんな話?
物語の舞台は、太陽に異常が発生し、このままでは地球上の生命が滅亡してしまう未来。
主人公は中学校の科学教師、ライランド・グレース。彼は人類を救うため、地球から遠く離れた宇宙へ向かうことになる。しかし、グレースが目を覚ましたとき、自分がなぜ宇宙船にいるのか、そしてなぜこの任務を引き受けたのかという記憶を失っていた。
自分が何者なのか。なぜここにいるのか。何をしなければならないのか。
断片的な記憶を取り戻しながら、グレースは自分に与えられた任務と、人類が直面している危機の正体を突き止めていく。
そして物語の大きな転換点となるのが、未知の存在との遭遇だ。公式の映画紹介でも、グレースが宇宙で異星人ロッキーと出会い、科学を共通言語として人類と異星文明の問題解決に挑む物語として紹介されている。
この小説の最大の魅力は「科学で問題を解決する面白さ」であり、『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を単純な宇宙冒険SFとして考えると、少し違う。
この作品の中心にあるのは、「未知の問題を科学的に分解し、仮説を立て、実験し、失敗し、また考える」というプロセス。
主人公は知識のある人物だが突然スーパーヒーローになるわけではない。分からないことがあり何かを試し失敗する、原因を考えてもう一度試す。この繰り返しによって、少しずつ問題を突破していく。
そのため、SFに詳しくなくても「問題解決そのもの」が好きな人なら楽しみやすい作品となっている。『火星の人』の映画版『オデッセイ』が好きだった人には、特に相性のよい作品といえる。
映画と原作小説は同じ?
結論から言うと、大筋は同じだが、原作小説と映画では物語の見せ方に違いがある。特に重要なのは、原作小説では主人公グレースの思考過程や科学的な推論をかなり細かく追えることにある。
小説では、「なぜそう考えたのか」「なぜこの実験をするのか」「この結果から何が分かったのか」という部分を、主人公の思考を通して時間をかけて描いている。
一方、映画では映像として見せる必要があるため、同じ出来事でもテンポや情報の提示方法が変わる。実際、原作と映画の違いについては、科学的な推理の描き方、グレースやロッキーのキャラクター性など複数の相違点が指摘されている。
そのため、映画を見たから原作を読む意味がないとは言えない。むしろ映画を見た後に原作を読むことで、映画では描ききれなかった主人公の思考や、問題解決の過程をより詳しく追えるのが原作の面白さだ。
映画を見た後でも原作を読むべき?
原作を読むべき人
以下に当てはまる人には原作をおすすめしたい。
- 科学・宇宙・SFが好きな人
科学的な問題を一つずつ解決していく過程が作品の大きな魅力である。
- 映画で「もっと詳しく知りたい」と感じた人
映画を見て、「グレースはどうやってこの結論にたどり着いたんだろう?」と思ったなら、原作との相性がよい。
- ロッキーとの関係をもっと楽しみたい人
映画でも重要な存在であるロッキーだが、小説では二人の関係やコミュニケーションを文章でじっくり追うことができる。
- 『オデッセイ』が好きだった人
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』は、『火星の人』と同じアンディ・ウィアー作品。科学知識を武器に極限状態を突破する面白さが好きだったなら、読む価値がある。
逆に、原作を無理に読む必要がない人
映画を見て、
- 科学的な説明が多くて少し退屈だった
- SFそのものにはあまり興味がない
- 映画のストーリーだけ楽しめれば十分
という人なら、無理に小説まで読む必要はない。この作品は「設定を知ること」よりも、問題を解決していく過程そのものに面白さがあるので、映画でストーリーを追うだけでも十分だ。
【ネタバレ】原作と映画の違い
ここからは原作・映画のネタバレを含む。
原作ではグレースの思考過程がより詳しい
原作小説の大きな特徴は、グレースが科学的な問題に直面するたびに、その問題をどう分解しているのかが描かれることだ。
映画では映像・演出によって短時間で理解させる必要があるが、小説では仮説→実験→結果→再検討という過程を文章で追うことができる。そのため、映画よりも「科学者としてのグレース」を強く感じられるのが原作だ。
ロッキーとの関係も原作ではより深く描かれる
ロッキーは、この作品を語るうえで欠かせないキャラクターだ。
人間とはまったく異なる生物でありながら、二人は科学という共通言語を使って協力していく。
この関係性は映画でも作品の大きな魅力になっているが、原作では二人がどのように意思疎通を成立させていくのかをより細かく追うことができる
映画と原作では「何を見せるか」が違う
映画では、映像・音楽・演技によって一瞬で伝えられるものが重要視されている。一方、小説では、主人公の思考・推論・知識・迷いを長く描写できる。
したがって、この作品については「どちらが上か」というより、
- 映画=宇宙で起こる出来事を体験する作品
- 原作=その出来事をどう考え、どう解決したのかを追う作品
と考えると分かりやすい。
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の原作は上下巻
現在、日本語版には単行本と文庫版がある。2026年1月にはハヤカワ文庫SF版の上下巻が発売されました。早川書房の公式サイトでは、上下巻とも紙の文庫と電子書籍が確認できる。
映画を見て原作を読みたくなった場合は、現在なら文庫版から入るのが分かりやすいだろう。
まとめ:映画が面白かったなら原作を読む価値はある
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の原作は、アンディ・ウィアーによるSF小説。映画と原作は大筋では共通しているが、小説では主人公グレースの思考や科学的な問題解決の過程をより詳しく楽しむことができる。
特に、
- 映画を見て科学的な部分が気になった
- グレースの考え方をもっと知りたい
- ロッキーとの関係をもっと楽しみたい
- 『オデッセイ』が好き
- 科学を使って問題を解決する物語が好き
という人なら、原作を読む価値は高いといえる。
逆に、映画のストーリーだけ楽しめれば十分という人は、無理に読む必要はない。映画を「見て楽しむ作品」とするなら、原作は「考えながら楽しむ作品」。映画を見終わって「もっとこの世界を知りたい」と感じたなら、原作小説を手に取ってみることをおすすめする。

